私は昔、毎年北海道にバイクでツーリングに行っていましたが、2005年頃の夏、友人に誘われて礼文島の桃岩荘に泊まりました。(桃岩荘は特殊なユースなので、知らない場合はググってください)
桃岩荘は礼文島の南側にあるんですが、桃岩荘のトレッキングイベント「愛とロマンの8時間コース」で、礼文島の最北端から桃岩荘まで礼文島の西側をトレッキングするというものがあります。道程は25kmほどになります。
私も参加したのですが、参加者のほとんどが20代前半の若者ばかりで、当時40手前だった私は遅れをとっていました。
道中数カ所に休憩ポイントがあり、若者たちは先について私を待っているという状態が続いていました。そして後半、ウエンナイという海沿いの集落から山を登って、「レブンウスユウキソウ群生地」というところが次の休憩だとヒーヒー言いながら山道を1人で歩いている時でした。
カーブしている道(砂利道)の向こうから、喪服のような黒い服を着た女の人が結構急いだ感じで走ってきました。靴はヒールつきの黒い靴で、顔に黒いレースがかかっていて顔はあまり見えませんでした。
一応「こんにちは」と挨拶してみましたが、返答はありませんでした。
私は、このカーブの先にレブンウスユキソウ群生地があり、観光地化されていて車がたくさん止まっているのではないか?そこからきた人なのかな?じゃあ休憩ポイントは近いな!と思いながら歩いていましたが、群生地は一向に見えてきませんでした。
その後もあの女の人が乗ってきた車などがないかなと思い、あたりを見回しながら歩いていましたが、周りは鬱蒼とした森なのでそんな車も車をおけそうな場所もありませんでした。
それから2〜3キロ歩いてやっと休憩ポイントにつきましたが、そこは当時は車を置けるような場所ではなく、待っていた仲間に聞いても、そんな人知らないし、車も来てないとのことでした。
あの女の人はどこから来たのでしょうか・・・
道は一本道だし、一応車は通れる道なのですが、ヒールを履いた女性、しかも真夏です。
しかし桃岩荘のイベントなので、「ハハーン、これは最後にクイズとして出題されるんだな!山の中で出会った女性の格好は?とか。」と思っていました。
そして歩くこと12時間、やっとの思いで桃岩荘にゴールすることができました。
最後は全員で手を繋いで、達成感と疲労感で訳もわからない気持ちになりました。
しかし、夜の反省会的なイベント(なんとかいう名前がついているむかーしの歌を歌う会)の時も喪服の女性の話は全く出てくることはありませんでした。
ほんとにいまだに不思議です。